幸福
1989年6月30日


	そうだ、ぼくは何のためにこんな所にいるのだろう

	よりよい暮らしのために、良い会社に入社するために・・・
	違う! そんなことのためにぼくは生きているんじゃない
	社会に流されて、機械的に生活したくなんかない
	お金なんてどうでもいい

	おお、ぼくにはどうしても、もっとすばらしいことがあるのではないかと思えて
	しかたがないのです
	深い感情に根ざしたもの
	それが無くては生きている意味がない

	しかし今の世界は病んでいる
	耳に入るニュースはとげとげしいものばかり
	軽薄なもの、あっけらかんとしたもの、他人をけなすもの、現実的なもの
	それらがもてはやされる風潮
	もうたくさんだ!

	もっと切ない思いをしたい
	切ないくらいうれしくなるようなことをしてみたい

	どうして大人になるとこうもすぐに白けてしまうのだろう
	素直に喜ぶことを忘れてしまうのだろう
	そこにあるもの以上を見いだせなくなってしまうのだろう

	子供の感受性、どんな些細なことにも喜びを覚えることができる心が
	大人にもあったなら、僕らはどんなにか
	幸福になれるだろうに

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