1990年2月10日


	2月10日は日蝕があったんです
	私はかねがね、そういう風景を見たいと思っていたのです

	 だからね
	 太陽がどんどん欠けていってね
	 赤い大きなわっかがね
	 星がいっぱい見えたんだよ

	端から放射される白銀色のものは!
	白から黄色、橙、赤に湾曲しながら変化して
	反対側でつながっているのです

	あそこはインドの夕焼けの色、太平洋の朝焼けの色
	あれは北極の白夜の空

	真っ黒い空にですね、赤やいろんな色をした大きな細いリングが
	浮かんでいるのですよ
	それがですね、こう、月面を赤っぽく照らしているわけなんです

	 ねえ、ねえ、わっかのなかに、なんか光っていたねえ

	そうそう、夜の部分に確かにまたたいていました
	あれは、きっと・・・

	私のうさぎがそう申しておりました

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