浜辺で
1991年頃


	冬の終わりも近づいた夜中過ぎに
	底知れぬ暗い海が波音をたてている

	まだ、冷たい風のなかで
	砂浜に寝そべると

	ぼくは地球を背にして銀河系に浮いていた



	音のない暗やみ
	明るい銀河系の中心核は
	太陽よりも明るく球状星団中の惑星を照らす

	パルサーをまわる黒こげの惑星にも
	生き物の痕は残っているかもしれない

	人間がこれらを訪れるのはいつのことだろう
	数千万年の時と空間を越えて
	それでも必ず行くに違いない

	もしかしてぼくは
	早く生まれすぎたのではないか

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