おれはフヌケだ 何もかも忘れて 普通のさらりいまんになったつもりで 夢さえも忘れて 人並みに 選挙のことを話し合い 5年間の計画を立て 借金をし エレンタールも 薬も飲まず 日に日に腹の中のものが大きくなっていくのを 銭湯の湯舟の中で見ているくせに 先生の予告した時期が迫っているのを考えないようにしながら まるで来年まで同じように暮らせるかのように 酒を飲み カレーを食い 徹夜をし まるで結婚できるかのように 女の子を好きになり おれはおれは そうやって 腸閉塞に近づいているのを知っているくせに どうしても 何をしても 真剣になれず まるで ただの普通の人のように 生きてきたんだ