幕間
1995年6月?


	24歳の誕生日に、ぼくは退院した
	そしてハイカリック3号の点滴をポンプでしながら
	断食のまま1ヶ月を過ごし、横浜市民病院に再入院した

	手術というものは、知らないうちに行われる
	しかし、その前と、その後の出来事は、どんな悪夢よりも
	ひどく、ぼくを苦しませる

	ずいぶんぼくは楽しんでいる
	生きていることが楽しい
	食べられることが楽しい
	ぼくは変わった
	しかし失ったものがないか?
	取り返しのつかないものを失ったのでは?

	そんなことはない
	人の一生は短い
	このすばらしい時代に
	このすばらしい場所に
	生まれたことを感謝する
	ぼくは必ず成し遂げるだろう
	それが可能な世界に生まれたことを感謝する

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