さて、WWWは無限の力 個人放送媒体でもある。 この辺でぼくの詩篇でもひとつ... 腐った魚のにおいがする ちがう、これは油煙のにおい ここは労働者の街、彼方に炎をあげる煙突が見える 排気ガスに満ちた国道沿い 道の反対側には淫らな歓楽街とヤクザの事務所 そしてぼくの住んでいるところ でもぼくはここが気に入っている 駅前や国道沿いは綺麗に作り直され、若いアベックが笑いながら散策する だが夜になれば駅には段ボールで寝る人々があふれ、 ぼくの生まれる前から変わらない部分は疲れた活気を帯びる ここには本当に何でもあるのだ 街というもののすべてが凝縮されている ぼくのようなアマちゃんには本当のことを知る権利もないし、何も言う権利もない 本当はもっとよく見てみたいけど怖くて見られない そこらじゅうに爆弾はあるし すこしでも触れたら最後 小説の中のような世界がここには存在する 逃げる妻と子供を追う夫。叫ぶ妻。ぼくに向かって「たすけて!」 消防署の前で電柱に激突する車。助ける消防士たち 整列して車を迎えるヤクザ ドラマや小説はこれらをもとにしているのか それとも彼らがドラマや小説をまねしているのか ここには夢を持ち続けている人も あきらめて放心している人も 夢など見たこともない人も いる ここは子供のくるところではない 悲しい場所