突如、それはやってきた 腹部に突然の疝痛 じわりじわりと強力になっていくそれとともに ゆっくりと首をもたげる吐き気 トイレの前で 吐いては倒れ 吐いては倒れた そうして二日がたとうとしていた どこかで電話が鳴っていた 救急車にしようか タクシーにしようか迷った 結局、タクシーで病院に向かった タクシーは道に迷い 僕は気を失いそうになった どうしても通らない 太いイレウス管は喉を行ったり来たりし そのたびに吐きそうになる それを何十分やっていたろうか それでも楽になるならと思って我慢した この僕がだよ その直前まで意識はあった そんなものなくていいのに 麻酔が効く瞬間は 天国のようなものだった