閉塞
1997年5月20日


	突如、それはやってきた

	腹部に突然の疝痛
	じわりじわりと強力になっていくそれとともに
	ゆっくりと首をもたげる吐き気


	トイレの前で
	吐いては倒れ
	吐いては倒れた
	そうして二日がたとうとしていた
	どこかで電話が鳴っていた


	救急車にしようか
	タクシーにしようか迷った
	結局、タクシーで病院に向かった
	タクシーは道に迷い
	僕は気を失いそうになった


	どうしても通らない
	太いイレウス管は喉を行ったり来たりし
	そのたびに吐きそうになる
	それを何十分やっていたろうか
	それでも楽になるならと思って我慢した
	この僕がだよ


	その直前まで意識はあった
	そんなものなくていいのに
	麻酔が効く瞬間は
	天国のようなものだった

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