自由エントロピー=log(出力/入力) だという説がある つまり、情報の入力よりも出力が大きいほど、その要素は自由なのだという 「生命の個体」とは何かということを多細胞生物や群体などの細胞の ハイアラーキ構造のある段階の要素(細胞、臓器、人体、社会)間での 情報交換の面から説明しようという説だ 沢田康次「自己組織化の科学」(1996) 人と人をリアルタイムで接続するインターネットの出現 世界中の人々が繋がれば繋がるほど、情報の入力は肥大化するが 情報出力には限界がある ネットワークによって人は大量の情報から選択の自由を得たつもりでいたが 実は不自由になってしまったのだろうか また、この説にはもう一つ要点がある ハイアラーキ構造のあるレベルの要素が「個としての生命状態」にあるためには その配下の要素は必然的に不自由だというのだ 人体の個々の細胞には自由はないように 人類社会全体の中で「個」であるレベルがヒト個体より大きいとしたら その要素とは、企業?、国? いや、インターネット全体そのもの・・・なのか? インターネットをひとつの超個体と考えてみよう 地球にただ一つ存在するそれは 地球から情報を得て、地球に情報を注入(開発、開拓)し 地球全体のエントロピーを減少させつづける インターネット内で行われている経済活動もカルチャーも インターネット全体の外から見れば単なる内部処理に過ぎない しかしインターネットも人類全体の情報処理神経に過ぎない つまり人類全体の入出力が地球から得られ、地球に向かっていることになる 地球への情報出力は確かに過多になっている つまり人類は全体として自由なのだ (ということは個人や企業、国には自由などないのだ) その自由は地球をどんどん改変している 地球から生まれた人類が地球自身を改変している これを自己組織化という ちょっと待て 地球から生まれたのは人類だけじゃない ガイア仮説によれば 地球上のあらゆる生命が地球自身を改変し エントロピーを減少させていることになる 人類が生まれる遙か以前から地球の自己組織化は進んでいた その自己組織化によってこそ酸素が気体で存在できる惑星となっている しかし、人類の暴走にも近い活動によって 自然の多様性は失われようとしている それはむしろエントロピーの増大を意味するのではないのか 実は人類は自然から入力ばかりして、出力などしていないのではないのか ということは人類全体は不自由な存在 しかも、地球という情報源自体がその道を確定している 地球は自殺しようとしているのか? 違う 地球は環境破壊ごときでは滅びはしない 滅ぶのは人類だ 地球は人類をアポトーシスさせようとしているのか 視点を転換 入力が出力を上回るのが不自由だというなら 地球は不自由だ 惑星は自ら輝くことはできず、ただ反射光で存在が示されるのみ 惑星が出力を行うのには生物が不可欠なのではないか ヒトは地球が自由になるために必要なのではないか そう思いたい