2003年の断章
2003年度

2003年6月27日

	今のインターネットにおいて個人の発信する情報は海の上の泡沫のように見える
	これで自分の存在する土台を確認しろといっても無理がある
	
	すべての携帯メールは消滅する
	契約が切れるかサーバが壊れればWebページは消失する
	
2003年10月12日

	アーサー・C・クラークは、人類最大の発明は「言語」だと言った。
	言語は時間と空間を超えて情報を運ぶことが出来る。
	文字はその範囲を遙かに大きく広げた。
	しかしそれらの闇はあまり触れられることがない。
	なぜなら、それを記述することができるのが言語だけだからだ。

	文章を読んだだけで現実を分かった気になってしまう。
	脳(他人/自分)の中で想像されたことと現実とが区別しにくい。
	全ての誤解の元凶。

	言語は極めて高度に圧縮された情報だ。
	その圧縮過程では相手の脳と共通の感性・経験と推測される部分が
	優先的にそぎ落とされる。
	受信する側も脳の独自の感性・経験に基づく補完を受けて解凍するが、
	当然両者の感性・経験は違うため、まったく非可逆的である。

2004年2月24日

	選択すると言うことは
	他のありうる全ての未来を捨てると言うことだ

2004年3月5日

	ひと呼吸ごとに酸素を感じよう
	 莫大な地球生命の歴史が生んだ高エネルギー分子を
	
	ひとあしごとに重力を感じよう
	 足下12万キロメートル続く地球の存在を
	
	ひと目ごとに光を感じよう
	 1億5千万キロメートル彼方の核融合炉、太陽を

	常にいつも1秒の間もなく僕らは繋がっている
	この素晴らしい世界に
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